動画広告が「アテンション」を獲得できない5つの理由

多くの動画広告予算は、「見てもらえる可能性」に使われていると言っても過言ではありません。つまりユーザーの記憶に残ることに投資されているとは言えないのです。
インプレッションが発生し、ビューアビリティの基準もクリアしている。しかしながら「見られた」と「記憶に残った」は別物です。実際は、このギャップにまさに多くの予算が使われてしまっているというのが実状です。
今回は、このような現象が起こっている背景を5つお話しいたします。
ビューアビリティを最適化しても、アテンションは測れない
ビューアビリティは配信指標であり、アテンション指標ではありません。すべてのビューアビリティ基準を満たしていても、広告がユーザーにまったく認識されていないことはあります。
アテンションが測るのは、広告が実際に視聴者の意識に届いたかどうか。そのギャップに、予算の大部分が消費されてしまっているのです。
実証データ: SeenThis の広告は、標準的な動画デリバリーと比較して、1,000インプレッションあたりのアテンション秒数が70%多い。(Lumen Research)動画の表示スピードが遅すぎる
動画広告が表示されるころには、視聴者はすでに画面をスクロールして広告枠から離れてしまうという状況です。
表示スピードが遅い広告はユーザーをイライラさせるだけではなく、広告を認識する機会そのものを消滅させてしまいます。広告配信を支える技術は、クリエイティブと同じくらい重要です。
実証データ: 動画が瞬時にスムーズに再生されると、平均ビュー時間が49%向上。(Lumen Research)オーディエンスはオープンウェブにいるのに、予算がアロケーションされていない
オープンウェブは、プレミアムパブリッシャーや多様なコンテンツ環境を通じて、人々がオンライン時間の大部分を過ごす場所です。アクセス手段に関わらず、オーディエンスはオープンウェブにいます。しかし多くの動画予算は、そこに割かれていません。
実証データ: オンライン時間の61%がオープンウェブで費やされている。にもかかわらず、ウォールドガーデンがプログラマティックデジタルディスプレイ広告費の71.5%を占めている(米国)。(eMarketer, 2024)視聴完了率をエンゲージメントの代替指標として使っている
96%の動画視聴完了率というと、かなり印象的に聞こえるでしょう。でもそれがスキップ不可フォーマットだとしたら、本当にユーザーが注目していたかどうかはわかりません。視聴完了率はフォーマットの特性によっては、必ずしもエンゲージメントを立証するものにはならないので注意が必要であり、実際にユーザーに届いているかどうかという視点で見ていくことが重要です。
実証データ: Rexona のキャンペーンを SeenThis のアダプティブストリーミング技術と従来の動画ダウンロード技術で配信比較したところ、SeenThis 技術による配信が、ブランド選択意向:127%、自然ブランド想起:23%、それぞれ高い結果となった。アテンションがまだ計測フレームワークに組み込まれていない
多くのメディアプランは、リーチ・フリークエンシー・ビューアビリティ・視聴時間を中心に最適化されています。これらが測るのは技術的に報告可能なことであって、視聴者の頭の中で実際に何が起きたかではありません。
実証データ: Mediahub が同じクリエイティブを使い、SeenThis と標準広告配信をテストした結果、アテンションが1.7倍、ブランド効果が81%向上。
*クリエイティブ、配信面は同条件で、配信技術だけが異なる中での配信結果(Mediahub × Lumen Research)
まとめ
動画広告予算と実際のアテンション獲得のギャップは、多くのブランドが認識しているより大きくなっています。これはクリエイティブの問題ではなく、配信、計測、そして戦略の問題です。AIがユーザーに対するコンテンツ提案方法を変革し進化させていくなかで、アテンションはさらに重要なシグナルになっています。広告が届いたことを知るだけでは、もう十分ではありません。広告が実際に刺さったかどうかを知ること。それが、実際に意識的に取り入れていくブランドとそうでないブランドの差を生み出していくでしょう。
そして、予算とアテンションとのギャップをしっかりと埋めることができているブランドに共通するのは、アテンションを補足的な指標ではなく、コアな指標として扱っていることです。
出典
IAB / MRC ビューアブル広告インプレッション計測ガイドライン:動画広告の場合、広告ピクセルの50%以上が最低2秒間連続して表示される必要がある。iab.com
GWI(GlobalWebIndex)× The Trade Desk、2024年5月:米国のオンライン時間の61%はオープンインターネットで費やされている
eMarketer、2024年:ウォールドガーデンが米国のプログラマティックデジタルディスプレイ広告費の71.5%を占める
Lumen Research、独立アテンション調査:標準動画デリバリー比で1,000インプレッションあたりのアテンション秒数が70%増加
Lumen Research、独立アテンション調査:動画インスタント再生時にビュー時間が49%向上
Lumen Research × SeenThis × Mindshare、Rexona 調査:従来技術比でブランド選択意向が127%向上、自然ブランド想起が23%向上
Mediahub × Lumen Research:標準広告デリバリー比でアテンション1.7倍、ブランド効果81%向上

