クリエイティブに注力すれば、より高い成果を生み出せる
2025/01/29

メディアバイイングチームは、プランニングにおける重要な要素として「クリエイティブ」 に注力し始めています。これまでは、クリエイティブエージェンシーが、クリエイティブを制作・提供し、メディアエージェンシーがターゲティングや配信面のプランニングに集中するのが一般的でした。しかし、AIやストリーミングといった新たな技術革新の波が、この前提を大きく変え、より大幅な成長を実現するチャンスをもたらしています。
こうしたイノベーションの力を最大限に活かすには、メディアエージェンシーが クリエイティブのテストと効果測定を、標準的な業務プロセスに組み込み、クリエイティブチームと連携しながらスケールできる体制を構築する必要があります。
現状では、メディアバイイングにおけるクリエイティブ改善は、単発のテストとして扱われ、追加予算で実施されることが多く見られます。さらに、そうしたテストから得られた知見や成果がクリエイティブチームに十分に還元されず、次のクリエイティブ制作に活かされないケースも少なくありません。
「テスト→スケール→効果測定」を構造的に組み込むことで、メディアチームはより高い成果を生み出し、クリエイティブをプロセスの中核として機能させることが可能になります。
メディアチームに訪れている新たなクリエイティブの波
クリエイティブはもはや「そのまま配信する静的な素材」ではありません。粘土のように自由自在に成形できる存在となり、さまざまなフォーマットに変換され、異なる方法で配信されるようになっています。
AIやDCO(ダイナミック・クリエイティブ・オプティマイゼーション)といった技術は、広告を構成する要素を組み替えたり再フォーマットしたりすることを可能にし、さらにストリーミング技術によって、より高速かつ高品質な配信が実現します。これらはすべて、更なる成果向上につながるかどうかを検証・測定すべき対象です。
メディアバイイングプロセスにおけるクリエイティブ活用の例には、以下のようなものがあります。
フォーマットの多様化
DCOやAIを活用し、既存アセットからソーシャルプラットフォーム向けの新サイズや、CTV向けのカスタムフォーマットを生成
ユニークな体験の創出
ページ全体を占有する広告や、インタラクティブ要素を含むカスタム広告フォーマット
テキストやビジュアルのパーソナライズ
行動データに基づき、テキストや画像を動的に組み合わせ、ターゲット別のメッセージを生成
高品質かつ高速な読み込み
ストリーミングにより、従来のダウンロード型動画広告と比べ、遅延なく瞬時に動画を表示
これらは、メディアチームがクリエイティブを通じて成果を高める数ある方法の中の、ほんの一部に過ぎません。新しい概念や技術は日々登場しています。
たとえば、Kargo は静止画と音声素材から AI が CTV 広告を構築する「Narrative」をリリースしました。Fluency は数秒で動的に広告を組み立てることを可能にし、Ripl は静的コンテンツをアニメーション化します。
こうした数多くのソリューションにより、クリエイティブ開発の主導権がメディアチームの手に渡りつつあるのです。
コラボレーションを促進する新たな触媒
理想的な形は、これらのイノベーションがクリエイティブチームとメディアチームの距離を縮め、新しいクリエイティブや配信技術の成果を最大化するための協働を促進するというものです。
クリエイティブチームが「再構成・再設計を前提とした素材」を提供できれば、メディアチームは下流工程でより多くのテストを実施できます。また、メディアチームが透明性の高い成果データをクリエイティブチームにフィードバックすれば、将来的にさらに高い成果を生む設計が可能になります。
パフォーマンスの高いクリエイティブ設計と配信を実現するためのポイントは以下の通りです。
最初から協業する
メディアチームが試したい新技術について、早い段階でクリエイティブチームと共有することが重要です。ストリーミング配信により、高品質な動画を瞬時に表示できるため、新たなサイズや配信面が利用可能となります。これを前提に設計すれば、既存素材をそのまま流用するよりも高い成果が期待できます。
ベンダーと協業する
ベンダーは、何が効果的で、どこで更なる成長が生まれるかといったベストプラクティスを提供してくれる存在です。クリエイティブチームとメディアチームがベンダーと直接連携できるブランドほど、高い成果を上げる傾向があります。
パフォーマンスを測定する
新技術がどのように成果向上に寄与しているのかを正確に理解することが不可欠です。メディアチームはテストすることの重要性を示し、取り組みの拡大につなげることができます。クリエイティブチームは、将来の設計に活かせる洞察を得られ、共通のKPIに基づいた協働が可能になります。
何十年も続いてきた役割分担や慣習を変えるのは簡単ではありません。しかし、イノベーションを活用、テストし、パフォーマンスの向上を測定することを軸に、クリエイティブとメディアが協働できれば、大きな価値を生み出します。
その結果、現在だけでなく将来にわたっても、高いパフォーマンスを生み出す好循環が回り続けることができるのです。


